青春回顧録19

我が家のある市、インフルエンザが流行ってて
学級閉鎖があちこちで出てるそうなんですが、
マル太の小学校、セン次の幼稚園、
どちらも全くの無事です。
ただの乗り遅れで後から来ませんように。
セン次、あと1カ月ですし。

さて、続き。
大学生の頃に一緒にサニーデイのライブへ行った
Nちゃんもそうでしたが、
サニーデイの音楽を「癒される」と言う人がいます。
大学のYくんの友達の女の子も
「りるび。ちゃんってサニーデイ好きなんやろ?癒されるもんね」
と言ってました。
2ndの『東京』に確かにそういう感じがあるのかもしれないけど、
私はその感覚がわかりませんでした。
ドキドキはしたけど、「癒された」ことなんてなかったので。
当時は「癒し系」とかいう言葉が流行ったりして、
「癒し」という意味が多様化してた面もあるし、
それでそういうことを言う人たちがいたのかもしれないけど。
そして私はその流行が好きではなかった、
ということもあるかもしれないけど。
もちろん人によって感じ方は違うし、
感想に正解なんてないから
「人は人、私は私」でいいんですけど。
ただ、2014年に4年ぶりにリリースされた
9thアルバムについてはそれに近い感じがありました。
「ふたたび出逢えた喜びを胸に」全開?
なんせ楽しそうで、安産だったのではと推測できるアルバム。
詞も日常の中にあるものを切り取ったみたいで、
少し曽我部さんのソロに近いのかなという印象でした。
ちなみに2014年、私はすでに3児の母でした。


9thアルバム『Sunny』(2014年10月、11曲)

晴茂くんの呼びかけでスタートしたアルバムだそう。
(でもその数カ月前にはもう辞めると連絡があったそうなので、
本当に不安定なんだなと思ったりします)
サニーデイのジャケットなのに曽我部さんが微笑んでる。
夏っぽいジャケットで、中身も夏の曲が多いんですが10月。
夏に作って秋に出ちゃう。
これもインディーズならではですよね、たぶん。
ネットで9thアルバムの発売を知ったのですが、
その時に久しぶりに見た3人の写真を見て、びっくり。
晴茂くんの髪が肩まである。
曽我部さんは長かったり短かったり
いろいろ変わるから何も思わないんですけどね。
伸ばしたのかな?伸びちゃったのかな?と
余計な心配をしてしまいました。

曽我部さんいわく、「いかんせん地味」なアルバム。
ラジオで流れたら、今の何だったの?
っていう感じだそうですが、わかる(笑)
個人的には最後3曲が大好き。
特に『夏のような人』って3分もない短い曲があるんですが、
まぶしい曲で本当に本当に大好き。

曽我部さんのインタビューの中の言葉で印象に残ったのが、
「とにかく2人に委ねたい」。
自分が作った曲を聴いて自然にできたものがいい、
だったかな?
(サニーデイはいわゆるプリプロダクションを行わないバンドらしく、
アレンジ練って練習してレコーディングに臨むのではなく、
スタジオで初めて曽我部さんの歌を聴いて、
まずやってみるというスタイルだそうです。
いっぱいやっても結局最初がいちばんよかったりするので、
プリプロは無駄なんだとか)
とにかくこの頃の曽我部さんは「サニーデイ最高!」だった。
2人が自分の作る曲とサニーデイを大好きだということに
疑う余地はない、田中と晴茂くんは素晴らしいって言ってて、
2人に気持ち悪がられるくらい
「ふたたび出逢えた喜びを胸に」だった。
でもほんと、3人で演奏することが嬉しいというのが
伝わってくるアルバムだと思う。
曽我部さん、この時は
昔のヒリヒリしたものは永遠に欠落したままでいい、
これからは3人で寛げる音楽をやっていくんだって
言ってたんですよね。

このアルバムを聴いた人たちの感想を
最近になって読んだのですが・・・
こんなサニーデイ聴きたくなかった、
ノスタルジーはもういらない、
早く2000年の続きを見せてくれ、
そんな感想を目にしました。
2014年当時の私がこれを読んでいたなら、
これが40代になったサニーデイでいいやん!
聴く側のこっちだって同じ年数歳とってるんやし!
って思ったと思う。
今もその気持ちはあるし、『Sunny』が大好き。
もう『Sunny』みたいなアルバムは今後ないと思うし。
でも、そういう感想を持った人たちの
サニーデイ愛に感嘆もしてしまう。
そういう人たちはサニーデイを「思い出」になんて
してしまわなかった人たちなんだなというのが分かるから。

『夏は行ってしまった』(『Sunny』から)
これは2012年に12年ぶりにリリースされたシングル。
といっても、ライブ会場とレーベルのオンラインショップ限定で、
一般の店頭には並んでませんが。
『魔法』の次にこんなシングルが出るなんて、
2000年の私に教えてあげたい。
ほんと、いかんせん地味(笑)
好きだけど。
新規のリスナー獲得は目的じゃないな~。
このMV、解散前の映像だけで出来てます。


『愛し合い 感じ合い 眠り合う』(『Sunny』から)
これは最初のテイクが採用された曲。
たくさん録ったそうですが、
結局うろ覚えでどたどたどしい1発目をOKにしたそうです。
小慣れたテイクにはない何かがあるって。
愛のある演奏だなぁと思う。



長くなってますが、もうひとつおまけ。
このアルバムに『アビーロードごっこ』という
シングルが入っているのですが、
この曲が桑田佳祐が選ぶ2014年シングル20(だったかな?)の
11位にランクインしたそうです。
すげーよ、レニー・クラヴィッツと大瀧詠一合わせたみたい、
(私はユーミンぽいと思ったけど)
不思議な代理コード使ってるけどかっこいい、大好き、
と評価されていました。
(ちょっと逸れますが、音楽を本当に愛してる人は
ちゃんと歌謡曲も聴いて評価するからすごいな~と思います。
偏見なんてなし。いいものはいい。ジャンルなんて関係なし。)
で、そんな『アビーロードごっこ』は
田中さんのベースの存在感がすごい名曲なのですが、
シングルなのに(これも店頭には並ばなかったけど)、
しかもあの桑田さんに選ばれたっていうのに、
MVなるものが存在しないのか
YouTube検索しても何も出てこない。
もっとプロモーションすればいいのに。
とか言いながら、
そんなこと思ってないんですけどね。



青春回顧録18

2011年からしばらくは子育てで目まぐるしい毎日でした。
マル太は幼稚園に通い始め、ケンゾーの妊娠・出産があり、
セン次の言葉と情緒面の問題に向き合い、
今思うとよくやったな~と自分で感心してしまいます。
もう一度やれと言われてもできません。
今も子育て真っ最中に変わりはないのですが、
その頃を思えばずいぶん落ち着いてきたなぁと感じます。

ちょうど私が目まぐるしい日々の中にいた頃、
サニーデイはシングルを2枚リリースしましたが、
目立った活動はなく、マイペースだったと思う。たぶん。
たぶんというのは、私は自分の生活でいっぱいいっぱいで、
サニーデイのことを考える余裕がなかったから、
よく知らないのが本当のところ。
でも、その頃は晴茂くんの調子が悪かったそうだし、
曽我部さんはソロとソカバンの活動を
精力的にされていたみたいなので、
やっぱりそうなんだと思います。

サニーデイにどっぷりだった18~22歳とは
それはそれは違った生活をしていたわけだから仕方ないけど、
でも本当はそれより以前から、再結成をする前から、
私は大人になってしまっていたのだなぁと思います。
解散のショックでアルバム単位でサニーデイを聴かなくなって、
青春なんてもう懲り懲りで、
大人になっていくのは生きやすくなることでもあるから、
それはそれでいいことなんですが・・・
私はサニーデイを「昔大好きだったバンド」にしてしまった。
「思い出」にしてしまっていた。
8thアルバムには感動できたけど、
それも大切な大切な「思い出」だったからこそで。

こんなことが何かのバロメーターになるかのどうか
それはわからないけど、
待ちわびた8thアルバムを聴いて、
満足?安心?解熱?したのかもしれないけど。
2014年にリリースされた9thアルバムも、
2016年にリリースされた10thアルバムも、
私は1~2週間遅れで聴きました。
その間のシングル4枚は購入せずに
ネットでMVだけ観てアルバムに入るのを待ちました。
サニーデイのシングルは
アルバムに入らないカップリングに名曲が多いっていう、
そんな大切なことまで忘れて。
別にそれでもいいのかもしれないけど。
10thアルバムを聴いた今となっては、
私はずいぶん鈍っていたんだと思うしかないです。




青春回顧録17

冬は苦手。
って思うと余計に苦手になるのはわかってるんですが、
やっぱり苦手。
寒さというよりは冬っていう季節が苦手なのかなぁ。
調子よくないです(笑)

さて、まだやります。
曽我部さんがこんなことを言ってた。
自分たちが受け入れられたのは
音楽が優れていたからだと思ってたけど、
そのたたずまいが聴く側に近かったからだったんじゃないかと。
身なりや下手さ加減や生活レベルや精神性とかが
理想の遠い友人みたいだったんじゃないかと。
別のクラスにいる、喋ったこともないけどなんか気になる人、
みたいな感じ。

私は3人の音が大好きだったけど、
3人がどういう人なのかはどうでもいいと思ってたし、
あんまり知りたくなかった。
曽我部さんは初めのラジオの印象は良くなかったし、
田中さんと晴茂くんはとにかくほとんど喋らなくて、
何考えてるのかわからない感じだったし。
でも、その曽我部さんの言葉を読んだとき、
ものすごく納得した。
もし3人ががおしゃれで垢抜けた人たちだったら、
もしカメラの前で上手に笑える人たちだったら、
もしライブを上手に盛り上げられるような人たちだったら、
・・・想像できない。
それなら音楽そのものも違っていたと思うし。
たたずまい。
ほんとにそう。
私が前に「自分の影みたい」と言ったのもそういうこと。
そうか、私って「音」だけじゃなくて、
「人」も好きだったのかと気づいた瞬間でした。

『東京』のアルバムの中の詞だってそう。
「ショーウィンドウを覗いてみれば
格好良いものばかりずらっと」(『恋色の街角』)
とか、全然特別な言葉じゃないけど、
ショーウィンドウの中身が近くて遠い感じが、
当時の私にものすごく心地よかった。
前にMV載せた『恋におちたら』の
「晴れた日の朝にはきみを誘って何処かへ
行きたくなるような気分になったりする」なのに
「だれかと話したくてぼくは外へ出るんだ」って、
まだ誘える「きみ」がいない人の
『(もし)恋におちたら』っていう
晴れた日の妄想の歌だったりして、
そこにめっちゃにやけてる私がいた。
等身大だけど卑屈じゃないから心地よくて、
これでいいんだって感じで青春のど真ん中に置けた。
『東京』っていうアルバムがずっとファンに大事にされているのは、
そういう部分も大きいのかもしれないな。
私も毎日CDプレーヤーに貼り付いて聴いたけど。
詞といえば、曽我部さんはサニーデイでは
ソロやソカバンみたいに自分が強く出たものは歌わないそうです。
サニーデイでは3人の人生を代表したものを歌うそうで。
だから誰でもない誰かの歌に聞こえるし、
自分もそこに入りやすくなるのかな?
ん~、こういう分析みたいなことは書くつもりなかったのに、
なんか喋りすぎかも・・・


前回書こうと思ってたのですが、
思いがけず長い記事になったので。
再結成に至った経緯。
解散後、3人はほとんど会うことはなかったそうですが、
音楽業界にいた曽我部さんと田中さんは顔を合わせることもあり、
再結成の2・3年前からは2人の交流はあったそうです。
もともと2人は四国にいた高校時代からの友達ですし。
そんな中で、ライジング・サン・ロックフェスから
10周年記念にサニーデイとして出演しないかという話があったそうで。
じゃあ、やる?となって、
田中さんが晴茂くんに「とりあえず出てみない?」と電話したそうで。
なんともあっさりした再結成(笑)
悩んで迷ってとか、今こそサニーデイ!となるきっかけがあったとか、
全然そんな感じじゃなかったみたいで、
言われたからやる?という感じだったようです。

再結成について、曽我部さんは考えたこともなかったそうで、
言われて初めてその可能性に気づいたとか。
もう解散した理由も忘れていたそうです。
田中さんも、3人ではもうやらないと思っていたし、
やりたいとか考えたこともなかったとか。
そして晴茂くんは、
ずっと引っかかったままだったから、
まだやれるんだって嬉しかった、と。
他のバンドじゃなくて、
サニーデイをやりたいという気持ちが残っていた、と。
これはね、衝撃でした。
深いため息が出たというか。

そんな晴茂くんは、8thアルバムリリース直後に
病気で入院してしまいました。
私は出産直後でそのことを知ったのは
すでに復帰されてからでした。
久しぶりに覗いた曽我部さんの日記に、
晴茂くんが帰ってきてくれて本当に嬉しいって書いてあって、
何のこと??となりました。
で、その日記に、僕は晴茂くんのドラムが本当に大好きだ、
先日のインストアライブの時に強くそう思った、
下手くそだとか関係なくて、彼が叩けばバンドはドライヴする、
それだけだ、ってことが書かれてて。
サニーデイに美談を求めるつもりもないし、
曽我部さんも提供するつもりはないと思いますが
(あれば再結成時にもっと演出があっていいと思う)、
そりゃいろいろ思っちゃいますよ。
だって、解散の時にいろいろ言われてたんですから。
(解散については「3人でやる意味がなくなった」だそうですが)
そのライブ、どんなライブやったんかな~って
当時は思っただけですが、
今調べたら動画あったんですよね。
その当時は動画があるかもっていう頭がまだなかったから
全然知りませんでした・・・。


2010年8月。
1曲目『サマーソルジャー』、2曲目『若者たち』。
この『若者たち』の演奏すごい好き。
もう若者じゃなくなったサニーデイの『若者たち』。
サポートの高野さんと新井さん含めて(右2人)。
大事なところで曽我部さんが派手に音間違えるところも含めて(?)。
再結成で当時のサポートメンバーもそのまま戻ってくるって
すごいなぁと思います。

こちらは若者だった頃。






青春回顧録16

大阪には珍しく、連日雪が降っています。
量は全然たいしたことなくてチラチラ降るだけですが。
気温が低いせいか、あかぎれがひどくて
家事が億劫な毎日です。

さて続き。
8thアルバムのこと。
このアルバムは再結成して初めてのアルバムだったので、
ドキドキというか、緊張というか、すごかった。
心のどこかで「どうよ、再結成って」って思ってる部分だってあったし、
単に「いい曲~♪」とかじゃない聴き方になるのは当然で。
したくなくても批評めいた聴き方になるのは当然で。

10年ぶりに聴くサニーデイの新しい曲。
記念すべき1曲目『恋人たち』。
最初に思ったのはとにかく
「へ?またそこからやるの?」
またって言ったって前にそんなのがあったわけではないんですが。
なんというか、この10年は?って感じで、
曽我部さんのこの10年のキャリアがごっそり抜け落ちてる感じがして。
(ごっそりは明らかに言い過ぎですが、第一印象はごっそりでした)
なんかちょっとヘロヘロだし、なんかちょっともっさりしてるし、
なんかちょっと音質も悪いし、ベテランの雰囲気がない。
かと言って初々しさとか若々しさとかもなくて、
むしろちゃんと38歳・39歳の感じがして。
時間の軸がおかしくなったみたいな気がして。
曽我部さんもソカバンの曽我部さんとは別人。
別人というか、同じ時の人と思えなかった。

『恋人たち』(『本日は晴天なり』から)

この曲のデモテープを曽我部さんがメンバーに送ったところから
アルバムの制作は始まったそうです。
そのデモテープを田中さんがとても気に入ったそうで、
「録る?」となったんだとか。
で、スタジオできれいに録ったものでOKになっていたそうですが、
田中さんが最初の方(デモテープ)がいいと言い出したそうで。
デモテープの雰囲気に近づけて何度も録りなおしたそうですが、
やればやるだけ遠ざかっていき、
結局アコースティックギターと歌だけのデモテープに
3人が演奏を重ねるという形になったそうです。
つまり、記念すべき1曲目はまさかのデモテープがベース。
音質の悪さは演出かと思いましたが、そういう事情でした。
それにしても田中さん、曽我部さんのデモテープを聴いて
余っ程感じるものがあったんやなー。


1~3曲目までを聴いた流れというのもあったと思いますが、
とにかく4曲目の『南口の恋』という曲の前奏聴いた瞬間に
私は完全にやられてしまいました。
サニーデイの音がする、また聴けた、ついに聴けた、みたいな。
そして曽我部さんが「街と恋人たち」という、
これでもかというくらいサニーデイらしいテーマを歌っていることも
嬉しかったし(やっぱり詞もちゃんと歳をとってますが)。
1曲目から音も詞もサニーデイだったんですけどね、
なんかここまで来て完全にやられてしまいました。
心地よいもったりとしたリズムに揺れながら
あの時終わってしまったと思っていたものに
ちゃんと「続き」があったことが嬉しくて、
ボロボロと泣きながらこの曲を聴きました。
そんなふうに聴くつもりはなかったのに。
まあ、妊婦は涙もろいものなので。

『南口の恋』(『本日は晴天なり』から)

この曲、実は以前に一度載せたことがあります。
セン次が3歳になった時に。
(「今頃ですが・・・セン次3歳」)
興味のある方は読んでいただけたらわかるのですが、
私のサニーデイへの触れ方がサラッとし過ぎてます。
これが本来の私。
深くは触れたくない。
昨年夏にリリースされた10thアルバムを聴くまでは
ずっとそうでした。
今の私が異常なんです。
こんなにサニーデイについてベラベラと。

さて、私が泣きながら聴いた『南口の恋』は、
この頃ようやく3人で取材に応じた時の内容で、
「一発録りの曲」とだけしか紹介されませんでした。
(ピアノはなんと鈴木慶一さん!)
しかもこのアルバム一発録りが多いし。
そしてそれぞれが気に入っている曲についての話になっても
3人とも誰も掠りもしませんでした。
まあそんなもんです(笑)
でも、私にとっては大切な大切な曲です。

アルバム通して思ったことは。
これはちゃんと10年歳をとったサニーデイだということ。
昔あった独特のピリピリした緊張感とか
ちょっと冷たいエネルギーは無くなっているし、
ソカバンで繰り返されるシャウトのせいか
曽我部さんの声に「かすれ」があるし、
(これはソカバンのアルバムでは気づかなかった)
他にも時が経ったことがわかる部分がある。
でも間違いなく3人の音で、
相変わらず垢抜けない音がして、
サニーデイでしか聴けないものがあって・・・
10年という月日の中で、
変わっていくものはどうしたって変わっていくし、
変わらないものはどうしたって変わらない。
そのことに抗う感じがないのが気持ちよかった。
それから、
曽我部さんがサニーデイじゃなくなっていったんじゃなくて、
3人じゃないからサニーデイじゃなかっただけだということ。
そして時が経っても3人になればサニーデイになるということ。
それから、私はやっぱり3人の出す音が大好きだということ。

曽我部さんの話によると、
このアルバムは新規のリスナーは対象にしていないそうです。
当時熱心にサニーデイを聴いていた人たちに向けて
制作されたそうです。
3人集まってみると、その演奏が惨憺たるものだったそうで、
自分たちの存在を思い知らされたんだとか。
サニーデイは拙い3人のそれ以上でもそれ以下でもなかったと。
サニーデイをもう一度やるというのは青春をもう一度やることで、
もう一度傷つくとかもう一度失敗するとか、そういうことなんだと。
スキルも経験もない自分に戻ることなんだと。
そういう思いからなのか、
バンドの息遣いが伝わるごまかしの利かない一発録り
(各パートが別々に録ったものを重ねるのではなく、
せーので同時に演奏したものを録ること)を多く採用し、
編集を行わないままの曲がほとんどだそうです。
記憶の中で美化されているであろうサニーデイは、
本当にこれで合っていますか?という気持ちだったとか。
それでも感動してもらえたら本物だし、
がっかりされたらそれだけのバンドだったということ。
そんな思いで制作されたそうです。
それなら私の答えは「合っています」としか言えません。

自分がどう感じるかだけが大切で、
他の人がサニーデイをどう感じるかは特に興味がなかったのですが、
この記事を書くにあたって他の人の感想を探して読んでみました。
私と同じように
変わったものの中の変わらないものに目が向く人もいれば、
変わったものだけを嘆いている人もいました。
こんなのただのノスタルジーだと言う人もいて、
それはこの4年後にリリースされた9thアルバムでは
もっと顕著になるのですが。

これは今になって思うこと。
「晴れ」がキーワードになっている曲があるので、
タイトルはそういう意味でつけられたと思うのですが、
「本日は晴天なり」って「It's fine today」の直訳で、
マイクチェックで使われる言葉ですよね。
現在も使われているかは知りませんが。
その後の2枚のアルバムを聴いた今は、
姿勢を正して「さあ始めます」みたいな、
マイクチェックみたいな、
そんなアルバムに思えてきて、
いいタイトルだなぁと勝手に思っています。

で。
このアルバムを聴いたのが2010年4月19日のこと。
それから1週間経たない4月25日にセン次は生まれました。
そして同じ年の5月、晴茂くんは急性膵炎で入院し、
3カ月間活動ができなくなりました。

長くなりました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。







青春回顧録15

子供たちの3学期が始まって、また忙しい日々です。
セン次はあと2カ月で幼稚園を卒園します。

さて続き。
2010年の春、私は32歳で妊娠後期。
マル太はまだ2歳。
大きなお腹での育児は大変でしたが、
私は精神的には落ち着いていて、
気持ちのいい季節に家族が増えることが嬉しい毎日でした。

セン次が生まれてくるまであと1カ月ほどになった頃、
ふとサニーデイがどんな活動をしているのか調べてみました。
そしたら、ついに。
来た。
8枚目のアルバムがリリースされるって。
曽我部さんのレーベルから。
もう考えることもなく購入予約をして
「8枚目」という言葉に、なんか感動する。
ずっと再結成後1枚目のアルバムを待ってる気がしてたけど、
実際は10年ぶり8枚目のアルバム。
『LOVE ALBUM』の次のアルバム。
なかったはずの8枚目。
リリースは4月21日。
(この日は15年前に1stアルバム『若者たち』が
発売された日と同じ日だったそうですが、
私は全く気付いてませんでした)
予約してCD買うなんて何年ぶりかな。
久しぶりのワクワクする気持ちだったけど、同時になんか不安。
何でもそうですが、「1」には「2」にはない輝きがあるものだし、
リメイクとかもオリジナルに勝るのは難しかったりするから。
昔のサニーデイが本当に大好きだった分、
今のサニーデイにがっかりしたらどうしようとか。
大切な大切なノスタルジーにひびが入ったらどうしようとか。
それに聴く側の私も当時の私じゃなくなってるから、
感じられなかったらどうしようとか。
なんせ先行シングルもないままのアルバムだから
新しい曲はまだ1曲も知らない状態だし。

待ち遠しい4月21日。
リリースがその日だからその日にCDが届くものだと思ってたら、
なんと2日前に届いてびっくり。
心の準備ができてないままそれを手にすることになりました。


8thアルバム『本日は晴天なり』(2010年4月、10曲)

封筒から出してジャケットを目にしたら、
思ってた以上に感激してる私がいました。
初めて手にするCDなのに
「サニーデイ・サービス」って書いてある。
信じられない。
なかったはずのことが今本当に起きてるって、
しばらくその文字を眺めました。
中を開けたら、3人の写真。
とってもサニーデイらしい写真。
明るい陽射しとはちょっと裏腹な表情の微妙な距離の3人。
田中さんも晴茂くんも変わってない。
もうさすがに20代には見えないけど、
でも全然変わってない。
服装の趣味まで。
アルバムのタイトル、ジャケット、写真、曲名。
全部サニーデイっぽい。
『恋人たち』なんて曲名、前になかったのが不思議なくらい。
ソカバンの曽我部さんはどこに行ったんだろうってくらい。

その時、昼寝をしていたのか、
おじいちゃんに遊んでもらっていたのかわかりませんが、
マル太はそばにいませんでした。
だから私は一人でこのアルバムを聴きました。
お腹の中ではセン次が動きまくってましたが。





プロフィール

りるび。

Author:りるび。
パニック障害を乗り越えて、結婚。男の子3人の母。結婚生活を送る上で、子育てをする上で、物事の考え方に変化が。子供とともに成長中。
ダンナ(テン):天然で楽観主義。開業、転職を繰り返しどうにか落ち着く。
長男(マル太):9歳。飄々とした小学3年生。何かと器用。
次男(セン次):6歳。幼稚園年長。よく笑い、よく食べる。言葉と情緒、見守り中。
三男(ケンゾー):3歳。おませで口達者。甘えん坊。

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